シャーロックホームズ 伯爵令嬢誘拐事件
発売日
1986/12 /11
定価
5,000円
フリマ
ジャンル
アクションアドベンチャー
メーカー
トーワチキ
概要
アーサー・コナン・ドイルの探偵小説『シャーロック・ホームズシリーズ』(1887年 – 1927年)を題材としたアクションアドベンチャー。トーワチキの初作品である。ホームズシリーズ誕生100周年(1987年)が目前というタイミングで発売された。
「アップル伯爵からの依頼を受け、イギリス各地を駆け巡りながら犯罪組織パパイヤ団に誘拐された令嬢のマーガレットを救出する」というストーリーであるが、以下の内容からクソゲーと扱われていることが多い。
ゲームを開始すると何の説明もなくロンドンの街中に放り出され、手がかりが乏しいままノーヒントでの攻略を強要される。
オブジェクトを調べるには「虫眼鏡」というアイテムが必要なのだが、初期状態では持っていない。当然これに関するヒントもない。
ホームズの推理が展開される原作とは違い、「武装した人間がうろつくイギリスを舞台に繰り広げられるバイオレンスアクション」が大きな比重を占める。
アクションゲームとしてのバランスは劣悪。特に被ダメージ時の無敵時間がないのが問題で、当たり方が悪いと連続でダメージを受け続けてしまう。
ゲームA(町)で敵を倒すとお金(30ポンド)を入手でき、ゲームB(公園、下水道、家、城)で敵を倒すと情報を入手できるのだが、それらの画面で出現する全ての人間が敵な上に、見た目はただの一般市民にしか見えない。
別の町への移動費や、店で売られているアイテムの価格が基本的に高額で、頻繁にお金稼ぎが必要になる。特に、体力を回復する「クスリ」は1個しか持てず、店で2個目を買ってしまうと料金を支払った上で強制的に1個捨てられる。
アクションと並行して「入手した情報を頼りに、アイテムや、ボスのいる場所への入り口を探し出す」という行動を繰り返すことになるのだが、決して推理(謎解き)要素と呼べるような代物ではない。
役に立たない情報が多い中で、有益な情報も一見するだけではそうと分かりづらく、有益なように見えて実際は異なる情報も存在する。
情報を元に該当するオブジェクトを調べる際も、場所や配置のヒントがないため総当りを強いられる上に、調べる位置の判定が非常にシビアなため、取りこぼしを防ぐにはオブジェクト1つに対して少しずつ位置をずらし複数回調べなければならない。
総じて、自力でクリアを目指す場合はかなりの時間と根気を必要とする。
役に立たない情報は世間話などの他、「1+1=2だっけ?」「このゲームはおもしろいな」など支離滅裂で意味不明なテキストのオンパレード。
お金を支払うことで「情報屋」からも情報を入手できるが、役に立たない情報が大半を占めるだけでなく、支払う額が大きいほどプレイヤーの神経を逆撫でするような内容になっている。
ゲームBで敵を倒すと「推理力」というパラメーターが上昇する。これにより「虫眼鏡」や「情報屋」で入手できる情報が増えるのだが、そういった「推理力」の影響に関する説明は一切ない。
体力の最大値が増えるパワーアップアイテムがボスのいる場所のどこかにあるものの、画面上には表示されないため隠しアイテムに近い。
依頼主のアップル伯爵が一切登場せず、誘拐されたマーガレット嬢もスタッフロール脇のホームズと並ぶ画像でしか登場しない。
ゲーム中にホームズの台詞はなく、入手する情報にも誘拐事件の話は殆ど出てこないため、説明書などを読まないとストーリーが理解できない。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
シャーロックホームズ 伯爵令嬢誘拐事件