東方見文録
発売日
1988/ 11/10
定価
5,800円
フリマ
ジャンル
アドベンチャー
メーカー
ナツメ
概要
コナミの開発者が独立して創業したナツメの第一作である。
任天堂から発売された『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』(1987年)、『ふぁみこんむかし話 遊遊記』(1989年)と同じく、キャラクターを切り替えながら進行するコマンド選択式のアドベンチャーゲーム。パッケージに「ニューウェーブ・サイケデリック・アドベンチャー」と銘打っている通り、狂気的で不条理な物語が展開される。
コマンドは「いどう」「みる」「はなす」「なぐる」「とる」「しらべる」「つかう」「ひとかえる」の八種類。コマンド総当り式だが、場合によってはゲームオーバーになる事もある。
コンティニューのパスワードモードでは、入力記号にツメターガイ(オウムガイ)、ハニワーン(ハニワ)、テケテーケ(テケテケ)、眼球、プラナリマーン(プラナリア)、フジツーボ(ふじつぼ)、すっぽんが用意され、BGMとして「マイム・マイム」のアレンジバージョンが流れている。
なお、このパスワードには秘密の入力記号「三日月」が隠されており、プレイ中にそのマークを発見した旨を葉書に書いて送ると、開発者から「ハートのこもったプレゼント」(卓上カレンダー)が送られた。
ストーリー
東方見文録(とうほうけん ぶんろく)は東南アジア大学歴史工学部旅行学科の四回生で、シルクロードにおける素粒子の分裂による時空間旅行を研究していた。
文録は代々商人の家の生まれで、夢は代官山で日本一の雑貨屋を営むこと。
『東方見聞録』の記述から、当時の日本がジパングと呼ばれる黄金の国と確信した文録は、開業資金を稼ぐため、自ら開発したタイムマシンを使い憧れのマルコ・ポーロに会ってお供しようと、秋葉原で買った格安日用雑貨をリュックに山ほど詰め込み1275年のベニスへと卒業旅行に旅立つものの、到着した場面がまさにマルコの旅立ちの場面で、その時の事故と成り行きにより文禄はマルコと共に旅立つこととなる。
ローマ法王となる神父デオパルトとの出会い、ペルシアにおける山の老人との戦い、バダフシャンでのバラスルビーを巡る争い、元国のフビライハーンの暗殺を企み上都でマルコたちの命をも奪おうとした大貴族アフマットへの復讐、といった波乱と苦難を経た長い旅の末、マルコと文録はようやく大都でフビライハーンとの謁見を果たし、元軍の遠征の大船団に便乗する形でジパングに辿り着く(旅立ちから6年経過したらしい)。
しかし、歴史上起こる筈の神風が起きない事を訝しんだ文録は遠隔操作でタイムマシンを暴走させ、上陸前に人為的に神風を起こした。
ところが実際に時を超えてやってきたのは神風違いの神風特攻隊であり、その特攻で元軍は瞬く間に全滅。マルコも巻き添えを食って命を落としてしまう。
友ともいえたマルコを喪い、文録は失意のうちに意識を失い漂流。その末に流れ着いて目覚めた場所は日本のようであるが、奈良か京都のようでもあれば富士山らしき山もある奇妙な場所であった。
そこは「時の団地」という、時に介入した者(時間犯罪、または時空侵犯。作中では「時を侵した者」)を収容する場所であった。
狂気的な人々に囲まれ元の時代にも戻れず、一生をそこで過ごす羽目になった文録は発狂し、母を呼び続ける所で物語は幕を閉じる。
取説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
東方見文録